”永田町「悪魔の辞典」”を読んだ。

今度の衆議院選挙では自民党からの不出馬が18人もいる。
負けて恥をさらすより清く引退して地元に名を残す方が残りの人生、楽に暮らせると算盤をはじいたのかもしれない。とても世渡り上手だ。
その点、西郷隆盛や山本五十六は世渡り下手だった。
負け戦と分かりつつ西南戦争、大東亜戦争で戦死した。
西郷が「政府軍と戦うなんてとんでもない!勝つわけないだろう。俺は立たないよ。」と鹿児島の片田舎で、ウサギ狩りでもして余生を暮らしていたら歴史に名を残せただろうか。
古賀誠なんか選挙を前にして選対委員長を辞任した。
戦の陣頭指揮を執るべき人間が戦を前にしてさっさと逃げてしまった。
負け戦の責任を取るのはゴメンだったのだろう。
ニュースを見ていると自分さえ良ければという政治家の心情が透けて見えてしまう。

最近、”永田町「悪魔の辞典」”という本を読んだ。
色んな党の事務局で30年働いてきた政治アナリスト、伊藤惇夫氏の書籍だが永田町に巣くう政治家、官僚、番記者たちの暴露本的内容だが、薄々分かっていたもののハッキリと書かれてしまうと情けないやら・・
これが中東やアフリカの小さな国のお話なら笑って済ませられるが我が国の中枢がここまで腐っていてもまともに国が動いているのは大多数の国民が真面目で従順なお陰なのかもしれない。
例えば”公務員”という章では官僚の特徴をこんな風に書いている。

  • 官僚は絶対に責任を取らない。
  • 官僚は国家全体よりも自分の省(庁)、局、課の権益擁護を優先する。
  • 官僚は一度握った権限、既得権益は絶対に手放さない。
  • 官僚は自分たちを一般の国民より上の人間だと考えている。
  • 官僚は国民から搾り取った税金を自分のカネだと思っている。~P147より抜粋~

同じ公務員だから”官僚”という部分をどこかの町の市職員としてもなんら違和感が無いのは不思議でも何でもない。
著者は公の為に働いている人が少ないので”公務員”ではなく”私務員”と名前を変えた方がいいと言っている。
自民党、民主党、両方で働いてきた著者だけに選挙を前にして頭を冷静にするためにも読んで欲しい本です。