追悼~音楽雑誌「アドリブ」
書店の善し悪しについてのバロメーターとしてスイングジャーナル社から発刊しているアドリブという音楽雑誌を置いているかどうかを判断基準にしてきた。
いくらデカイ書店でも置いてなければ大したことねーな、と思うし小さい書店でも置いてあれば、このお店中々目利きだねと思えた。(ちなみに我が町の書店、書林には置いてあった。)
そのアドリブが今月号で休刊となった。
1973年創刊から時代に流されない大人の音楽雑誌として希有な存在だった。
間違っても浜崎あゆみやEXILEの特集なんかやらない。
いわゆるメディア戦略に乗らずに真面目にやってるアーティストにスポットライトを当てており、インターネットが無かった高校生の頃は、アドリブが唯一の情報源となっていた。
それが現在、アーティストがホームページやブログで直接、情報を発信できるようになりわざわざお金を出して雑誌を購入するまでもなくなってしまった。
時代の流れと言ってしまえばそれまでだが有能な音楽ライターが揃っていただけにインターネットなどのメディア媒体を替えてでも情報を発信してほしいなと思う。
あらためて昔のアドリブを読み返すと未成年であるにもかかわらずジョージ・ベンソンやボビー・コールドウェル、ディオンヌ・ワーウィックのライブに行ったことを思い返した。
聴く音楽だけはかなりませていた。
アドリブの様な音楽雑誌はもう二度と出てこないと思う。
一年に二回、季節号としてでも存続できたらと願うばかりだ。