ミッキー・ローク主演「レスラー」

映画「レスラー」を観た。
世の中に対するメッセージ性も無ければ訴えかける物もない。
ただ初老のレスラーの日常を淡々と描いているだけ。
それなのにあまりに切ない。
リングに立って観客からの歓声を浴びる事でしか生き甲斐を感じない。
不器用な男、故に自分の気持ちをうまく表現できず人との関係を築けない。

ミッキー・ロークが肉体改造して好演している。
日本では’92年、武道館で行われた猫手パンチボクシングによってヘタレ男優のイメージが付きまとうミッキー・ロークだが映画俳優としてはきらりと光る演技を毎回している。
「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」とかかっこいいしね。
最近はCGによる3D映画がもてはやされているけど感情移入できないのは人間の持っているオーラというか霊を感じないからだ。
この「レスラー」は3DでもないしCGを使っているわけでもない。
ハイビジョンで観る必要もないがそれ以上の価値を実感できる映画だった。